桃色の憂鬱

文を書く練習

奇跡さえ起こればいい

 これまで俺が記述してきたことってもう既に終わっていて、今更どうしようもないことを後から振り返るみたいな感じで、それこそ恋愛みたいな、なんつーか話してても聞いててもむず痒くなるような話題って、基本的に現在進行形で書かないって決めてたのね。(俺の場合、性格的に本当に痛いこと書いてどうせあとで黒歴史になるし)

 ま、でもそれでもいいから今自分が感じてる気持ちをリアルタイムの温度感を保ったまま残してー!って思っちゃうくらい今日はハッピーなことがあったから書いちゃおうと思います。ほろ酔いで深夜で無敵だし。そう、何を隠そういま気になってる人の話。あの、まだ全然付き合ってるとかそういうのじゃないんで詳細は伏せるんですけど。(ベラベラ書いて振られたとき本気で恥ずかしくて死にたくなるから)

 てか俺ね、一個だけ後悔してることあるんですよ。なんつーか、そんな身近に天使がいる、みたいな可能性を微塵も考慮せずに日夜やりたい放題してて、それはもう、意味分かんないこと言ったり、触れるもの皆傷付けたり、意味分かんないこと言ったり、酒に喧嘩にドラッグに明け暮れてた系だったわけじゃないですか。で、なんだろ。周りも周りでそんな俺を面白がってくれちゃって、それが結構嬉しかったのと、あと普通にもう引くに引けなくなってたのとで、もうこれ大人になったら確実に負け、みたいな。俺ってば変にまともな奴に馴染んじまったらもうその場で自死しようと常に懐刀を持ち歩いてたくらいにはおかしくなっちゃってたわけですよ。

 いつからおかしいんだろうって思うと、まあ生まれ落ちた瞬間からになるけど、そのやっぱ社会性の獲得と共に矯正されていくと考えたときに、壊滅的にそこが抜け落ちたのってやっぱり高校で。高校時代って、なんつーのかな。結構そういう自由な感じでヒエラルキーもなければいい意味でみんな周りに無関心みたいな。まあ、そこそこ進学校に行っててみんな自立してたし、自主自立が是とされる空間で、俺のそういう他とは違う部分も許容され続けてきた。

 学校サボって日光まで行って猿の交尾見てゲラゲラ笑ってたり、通学で使う某東京メトロの線路で逆立ちして電車止めてしこたま怒られたり、サイゼリヤで騎馬戦して出禁になったり。同級生もその辺で拾った冷蔵庫を教室に置いて勝手に飲み物冷やしたりしてて。まあその、日夜やりたい放題してたわけだけど、その延長線でここまで来ちゃったみたいな。あ、でも冒頭で書いた酒に喧嘩にドラッグにってのは当然並べ立てた嘘八百なわけで。最低限のラインは守ってたってこと自己保身のために言っとくね。誰が見てるか分かんないし、あらぬ誤解を与える意味が全く分かんねーから。じゃ、最初から書くなよって話だけども。

 で、まあそのいま気になってる人はそんな俺を見てシンプルにドン引きしてたわけ。彼女の言葉を原文のまま拝借すると「いやでも普通に、本気で頭のおかしい人だと思ってて正直苦手だった。実際あなたが喋ってるとき私黙ってたし。」

 いや、ヤバくないですか?初対面でかつ、全く話したことない状態だよ。え、そんな見ただけで「無理かも」みたいな生き物ってこの世にゴキブリくらいしかいないもんだと思ってたけど、仮にも知性がある人間でそんなことあるんだ。ってか俺だったんだ。普通にちょっと感心しちゃった。

 でも、本当に人間で良かったー。だってもし仮に俺が人間じゃなかったらその、刑法とかそういうのももちろん適用されないわけで、多分普通になんの躊躇もなくゴキジェットとかでシバかれて仰向けになって転がってるところをビニール袋かなんかで回収されてそのまま息を引き取ってたわけだからね。マジで。どうしようもなくキモくても生きることを許されている人間に感謝。

 ちょっとゴキブリの話でこれ以上脱線させると、本当にまずいことになりそうだからこの辺にしておくけど、まあなんだ。要するに第一印象でシンプルにキモがられてたって話で、実際はこんな駄文をつらつらと書いてる時点で第一印象を超えてもちゃんとキモいっていう。どうしようもないじゃん。何これ、お母さんごめんね。

/

 ほらでも、こうやって頭に浮かぶ文章をだああああって書いてみて思ったけど、今の気持ち書きてーとか言っときながら、思ったより自分自身が自分の感情を言語化できていないことに驚く。俺こんな感じだけど本当に大丈夫なのかな、みたいに思えてくる。

 例えば、どこが好きなの?とか聞かれたとして、なんか多分本当に決まった答えがあるわけじゃなくて、「え、なんだろ。コップを静かに置くところ?あと目の動きとか生への気力がなさそうなとことか。でもって、か弱そうな雰囲気醸し出しといてたまにちょっとだけ口悪くて、なんだ。結構キッパリしてて芯強いんじゃん、みたいな節々とか?あ、それこそこないださー、から始まって、ところでお前ら愛って知ってる?いま愛って言葉を聞いてなんか想像したっしょ?それ。それが服着て歩いてんの、ウケるよね。」みたいなそんな感じで、その時その時思いついた順に好きだな、良いなって思ったところを並べるだけで全然うまく答えらんない。

 ずばっと好きな人のこんなところが好きって言えて、聞いてる人も「うわっ、そりゃ惚れちゃうよ」みたいな、出来れば全員がその、好きな人のことを好きになってくれるようなプレゼンを指し棒とか使ってしたいんだけど、なかなか難しくて、だからそうやってちゃんと答えられる人ってほんと憧れる。

 気になってる人って俺が持ってないもの全部持ってるし、反対に俺が持ってるものってその人にとっては不要なものばかりな気がして、考え方とか嗜好もたぶん全然違うし(まだこれから分かってけばいいとこだけどさ)、自分がどこに惹かれてんのか、なんで一緒にいたいと思うのかわかんなくなって、逆にどこが好きだと思う?つって、合コンに居るうぜーババアみたいになっちゃいそう。

/

 こないだもさー、気になってる人が飲んでるときの動画を送ってくれて、それがなんとまあ可愛らしいのなんのって感じで、そのせいで俺があまりに凝視して見ちゃうもんだからさ。まあ、そのときだよね。白眼ッ!!!!つって、血継限界に覚醒したのは。白眼ってすげぇのな。ずっと凝視し続けてたらさ、もう好きな人の洋服を通り越して下着を、いや下着すら通り越して表皮を、もうそこで留まるわけもなくてしまいには臓器をって感じであらゆるものを見通せちゃって、彼女がちゃんと健康優良児であることを理解して「今日も生きててくれてありがとう」って涙が溢れてきちゃったわけ。もちろんそんなわけなければその、好きな人がいま何考えてるのかとかどう思ってるのかとかすら見通せてないわけなんだけど。まあ、今のくだり普通にキモすぎるというかこんな長々と書く必要あったかというと、当然なかったわけで。こういうのなんて言うんだっけ?あ、蛙化?分かんないけど、気になってる人にだけはこの記事絶対にバレないようにしなきゃって今心に誓った。

 あっそうだ、あとあと、なんかその人結構動物好きで、普通に飼ってて定期的に動画を送ってくれちゃうもんだから、それにもちゃんと癒されちゃってるんだけど、動物って本当可愛いのな。マジで天使。でね、その動画でね、飼ってる動物に指差して好きな人が笑ったりしてるわけ。俺もそれ見て爆笑しちゃった。いや、天使が天使指差してんじゃん、って。ど、ど、どっひゃ〜!あれれ~!?よく見たらこれ天使じゃなくて気になってる人じゃ〜ん!ちょっとちょっと〜!オメェすっげえ美人だなぁ!オラといっちょ結婚すっか!?って孫悟空になっちゃった。

/

 いやでも、たとえ俺が孫悟空になっちゃっても好きな人にとってはマジで関係ないし、ってか普通に意味分かんないし。なんだろ、冬の気圧配置、みたいな、今のはちょっとたとえがうまくいかなかったからスルーして欲しいんだけど、とにかくそれこそもう奇跡でも起こんない限り、なかなかこう、お付き合いしましょって感じになんない気もするわけ。

 俺もここんとこずっと気を抜いてたっつーか、省エネモードみたいなのになってたんだけど、なんか会う度、気になってる人はどんどん可愛くなってくし、ね、どしたの、悪魔と契約した?みたいな、もうほんとおちおちスリープしてる場合じゃねえぞ、って感じで。

 俺だって高校時代は圧倒的問題児、名門校の末席を汚してた身なんだから、いざという時は舞台上から彼女に向けていつでも「まだまだ全然分かんないことの方が多いけど、それ全部知りたいし、知った上でそれでもずっとお前のことが好きだっ!」って宣言しちゃえるくらいのアレでいるつもりだし、もうほんと、あとは奇跡待ち、だけ、みたいな。