桃色の憂鬱

文を書く練習

7月の嵐

 7月1日、そいつは突然やってきた。可愛い顔に悪戯な笑みを引っ提げて。予定より30分遅れて悪びれる様子もなく現れた小柄な女の子。とてもじゃないけど台風というには似ても似つかぬ、でもどう考え直しても台風と言うほかに形容する言葉が見当たらない。ピンクのノースリーブに青いジーパンの可愛い台風。

 

 俺の2022年を季節で表したら上半期はきっと満場一致で梅雨だろう。俺の脳内には元カノ梅雨前線がもう長いこと居座ってて、何やら「元カノには魔法みたいに世界を一新する驚天動地の神通力がある」とか「楽しいことが起こる度、そこでの元カノの気配の希薄さに後から気付いて、目眩がするくらいの取り留めなさを感じてしまう」とかうだうだほざき続けて半年が経過。

 一向に「元カノ愛してるよ気団」と「もうよくね?気団」のせめぎ合いが終わらないまま、とうとう友達からも「お前向こう3年くらい元カノ引きずってんじゃね?」とか言われ出して、それに対して俺も「そうかもな。てかそれ全然悪くないな。うんうん。」とか言って、いよいよ本格的な(救いようのない)長期化が見込まれた矢先、そいつはやってきた。

 

 何を話そうにも、何もかもがめちゃくちゃだから多分全然まとまらないんだけど、確実にひとつ言えるのは会った瞬間にもうビビッと電流が走ったみたいにそいつに釘付けになった、なんてことは一切なくって、そう。至って普通の、ただの可愛らしい女の子だなんて思ってた。あいつ猫被ってやがったから。

 その日はもう普通の初対面って感じで、適当にお酒を飲んで、何話したかとか全く覚えてねーけど、とにかくもうゲラゲラ笑って、そんでプリクラ撮って、その辺の確実に禁止の広場で「夏だねー」「夏やね」とか言いながら花火をした。

 初対面の俺達はとにかく似てた。お互いにしっかりADHDだから待ち合わせの時間には間に合わないし、なんならお互いに土地勘ないから待ち合わせの場所すら分かんなくて全然会えないし。話していても共感できることが多くって、突発的にダメなとこで花火をやっちゃおうなんてノリも近くって。もし、俺が女の子だったらこういう感じなんだろうって。そういう感じ。

 

 ここまではすげー普通、だと思ってた。めちゃくちゃ楽しくって、ただ楽しいだけで終われたそんなありきたりな夜だったから。俺は全然男女の友情存在する派だしね。でも絶対にこの時点で気づくべきだったんだよ。だって俺冒頭で言ってたじゃん。「楽しいことが起こる度、そこでの元カノの気配の希薄さに後から気付いて、目眩がするくらいの取り留めなさを感じてしまう」って。元カノ抜きのただ楽しいだけの夜なんてこの半年間本当に来てた?ねえ本当に?

 思えばこの時点でもうきっと無意識に、すごく自然に侵食されてたんだろうな。ありきたりな夜っていうのは訂正しよう。「もうよくね?気団」がちょっとだけ「元カノ愛してるよ気団」を押し上げて、元カノ梅雨前線がほんのちょっとだけ北上した、そんないつもよりほんの少し特別な夜だった。

 

 ここまでは俺が普通にちょっと前向けてよかったねって話なんだけど、そんなわけない。だって次の日も会っちゃってんだもん。他の人と飯食うの約束しててコース料理まで連れてってもらってたのに会えるって言うもんだから、会いたくなっちゃって、コースを途中で切り上げて会いに行った。(これはマジで俺が悪い、人としてヤバい)

 今度はだいぶ打ち解けた感じで飲んで、相変わらずなんでか分かんないけど、ゲラゲラ笑って、絶対に禁止の場所で2回目の花火をした。そこで絡まれた外人にタバコと偽って渡されて吸っちゃったマリファナのせいもあるかもだけど、やっぱりすげー楽しい夜で、楽しすぎたから手を繋いでスキップしながら一緒に帰っちゃった。そんでなんかチューされちゃって、すげー可愛かったから部屋にいる友達そっちのけでめちゃくちゃチューして、気づいたら友達が部屋からいなくなってたんだよね。(その節はマジでごめん)

 

 チューなんて久方ぶりにしちゃったもんだから、俺はもう自慰を覚えたての中学生かってくらい舞い上がっちゃって、勝手にワクワクしてた。そんなこんなで「元カノ愛してるよ気団」も「もうよくね?気団」もそっちのけで、太平洋上では密かに上昇気流が強まって熱帯低気圧が発生していて、またひとつ俺の中でコントロールできないものが増えた。

 

 そんで次の日。いやこれマジで言ってる?マジなの?なんで出会って3日で3日連続会ってんだよ。フットワーク軽すぎだろ。そいつも俺も。友達とドライブしてた車で夜勤上がりのそいつを拉致って、ショッピングモールに連れ出した。なんかアパレル店員のオカマにやたら好かれて俺だけインスタ聞かれたりケツ触られたりとかちょこちょこ面白いことがあって、謎にペアルックしてプリクラ撮って、本当はその日帰るつもりだった予定を後ろ倒しにしちゃった。

 この頃にはもう熱帯低気圧なんて生易しいものじゃなくて、立派な台風が猛威を振るってたから、帰らなかったじゃなくて帰れなかったんだよ。なんかほら、あるじゃん。交通機関とか運休になるやつ。そういう感じだよ。知らんけど。とにかくまあ、言い訳させてよ。ね?

 

 そして、そいつと出会って4度目の朝が来た。もう十分に発達した大型台風が唸りをあげて俺の元へと猛スピードで突き進んでくる。もう随分と長いこと俺の脳内を支配した梅雨前線はどこ吹く風。俺はもう本当になす術もなく本格的な台風の到来をただ待つばかりだった。

 決定的だったのは、水族館で割と午前中から夜まで一緒にいたからだろうか。その後時間を忘れて一緒に飲んで、電車を失って一緒に泊まったから?もうここまで来ると自分でも本当によく分からない。こんな急激に密度を上げて誰かとの関係が進展することは今までなかったから上手く頭では整理できない。でも、その日の夜に(正確にはもう日を跨いでたけど)俺から「付き合おっか」って言っちゃった。そんでもってお付き合いが始まっちゃった。7月5日。極度に発達した台風が停滞前線を駆逐して上空を完全に支配した。

 

 俺ってば、約3年付き合って、約2年の同棲期間を経た後だから次の恋愛にはもっと時間がかかる、全然心の準備が、心の休養がまだまだ必要なんだって思ってた。それこそ「もうよくね?気団」がちょっとずつちょっとずつ北へと前線を押し上げていって、いつか俺の中で完全に踏ん切りがついたときに、ようやくまた新しい恋愛ができるんだと思ってた。そうあるべきだと思ってたし。半ば強迫観念。だって、そんな中途半端な状態で次付き合った人をちゃんと好きになれる自信がなかったし、それって相手にとっても俺にとっても良くないことだって思ってたから。次の恋愛は絶対に正しく在るべきという思考が俺を占めていた。その方が幸せなんだって。

 

 そんなことはなかった。改めて思う。予想外のことが起きるからワクワクするし、人生は楽しい。別に自分の人生に何か予定を立てたつもりもないけど。でも、なんつーか俺のポリシーってほどのもんでもないけど、結局どこまで行っても人生は選択の連続で、そこからは逃げられないんだから、どうせなら「正しさ」より「ワクワクする」を選び続けたいと思っていて、選んだ結果がこれだ。結論最高の選択をしたと思ってるし、これから先はこの選択を正解にしていけばいいんだって思ってた。

 始まりは唐突だったけど、その割にお付き合い自体はとても穏やかだった。急激に関係が進展したことを除けば、2人の関係性はずっと穏やかだった。そいつは思っていたより内向的で、想像していた以上に真面目で、元カノを大切な思い出として大事に保管している俺すらも許容してくれる優しい女の子だった。

 頻繁にやり取りをしてお互いの話をして、夜になったらセックスして。そんなふっつーーーーの感じ。どこか心ここに在らずだった俺もそんな日々の中で心を取り戻していって、1日1日そいつを愛する準備が整っていった。仕事終わりにちょっと電話したり、向こうの仕事終わりに出かけたり、そういう些細なことが幸せだった。束の間の無風地帯。台風の目。

 

 でも、局所的な豪雨が1ヶ月2ヶ月と続くことがないように、急激に燃え上がった熱というのはある点まで上昇すると急降下を始める。とにかくある点で熱から醒め、人々は我に返って気が付く。「自分本当にこのままでいいんだっけ」って。そして、俺よりも先にそいつにそれが訪れた。台風の目が通りすぎ無風地帯は唐突に終わりを迎え、轟音と共にまた嵐の第二波がやってくる。お付き合いをしてちょうど1ヶ月くらいの8月3日。

 「一度距離を置きたい。本当に好きかどうかもう一度しっかり考えさせてほしい」

 と、そいつは俺に言った。何か前触れがあったわけではない。いや、前触れはあったか。その前日くらいは流石にちょっとよそよそしかったもんね。でも、何か特別な転機もこれといってなかったはずだ。多分一緒にいて、「わかること」よりも「わからないこと」の方が増えて、戸惑いが大きくなったんだろう。認識のズレとかバックグラウンドの違い、新しい環境への適応力。当たり前だけど、俺達は思っていた以上に違う人間だった。そいつは本当に俺が思っていた以上にだいぶ内向的でずっと普通の女の子だった。

 

 そして、その話を受けて俺はショックとかそういうのは全然なくて「そりゃそうだよね」って思っちゃった。拍子抜けする部分は正直少しあったけど、冷静に考えたら俺も彼女のことを全然分かってないなって思ったから結論「距離を置く」っていう彼女の判断は大賛成だし、付き合うまでの過程とその冷静さのアンバランスさにまた彼女を愛おしくなった。「分かる」「分からない」を抜きにして、俺の気持ちは確実に彼女に向いてるし、俺の中ではそれが100%の恋愛感情だってことは自信を持って言えるけど、事実彼女の好きなこと、嫌いなもの、したいこと、してほしくないこと、本心何を考えてるか、本心俺をどう思っているか。そういうあらゆることが分からないまま密度濃く突き進んだ1ヶ月間だった。

 

 本当に優しい子だから、それが彼女の俺への気遣いなのか、それとも本心で俺との関係を悩んでくれているのかその辺よく分かんないし全然期待なんかできないけど、でも良くも悪くも「楽観的すぎる」のが俺の取り柄だと思うので、とりあえずは前向きに考えて「距離を置く」期間で俺も彼女への向き合い方とか諸々を整理していけたらいいなって思ってる。形はどうあれ距離を置いたその後で、俺と彼女の関係性はより深まると思っているし、お互いにもっと正直に生きていけるんだろうって思っている。

 俺としてはどっちに転んだとしても間違いなく、この1ヶ月間は最高だった。たとえ、これが一夏の恋だとしても、俺の中で長らく停滞していた元カノ梅雨前線を消滅させてくれた彼女にはもう感謝しかない。もう全然前を向いて歩いていける。大丈夫。欲を言えば、一旦通り過ぎた7月の嵐が、全く説明のつかない気象予報士もびっくりの軌道でもう一度俺の方に帰ってきてくれたらいいなとは思うけど。でももしそうなったら多分もう台風って形容するのは正しくないんだろうな。台風一過?8月の晴天?うん、どれもまだ全然しっくりこないな。そうなったらそのときにまた新しい名前を考えよう。

 

 つーことで、2022年の夏が特大の嵐とともに始まって、随分と晴れやかな気持ちで俺の2022年下半期も始まりました。皆さん夏休みはいかがお過ごしでしょうか。

 

追伸

えっと、8/18(木)に「別れよう」ってLINEが来て、嵐は意味不明な軌道を描いて帰ってくることなく北上していきましたとさ。

やっぱりすきだらけでしたみたいな話

 お久しぶりです。今日はその、当初の予定通り、今から今日好きな人と会った話を書きます。突然だけど忘れないうちにさ。書きてーことが山ほどあんの。

 実は実は、好きな人が俺の服を持って帰っちゃってたみたいで返さなきゃつって、ちょー久しぶりに会ったんだけどさ、いやもうほんとに久し振りで。なんだろ、かるく冬と春みたいに二つの季節を飛び越えてクリスマス以来?  みたいなさ、あまりに長い間会ってなくて、思考回路はショート寸前、つー感じで、その間なんどもLINE見返しては当時の思いに浸って、お前タイムリープしてね?  つって、まあタイムリープはしてなくて仕事仕事の毎日だったそうなんだけど、とにかく半年振りくらいの再会、じゃあ俺は今までなにを書いてたんだよ、っつー感じだよね。

  だけど、それでも久し振りに会った好きな人はあまりにも俺の知っていた通りの、まぶしいくらい思っていた通りの好きな人のままで、いつもみたいに少しだけ遅刻してきて、相変わらずそれを白々しく笑って誤魔化そうとしてきた。

  まーその可愛いこと可愛いこと。俺ちょっとなりたくなったもん。その顔と性格に。男なのにさ。男でさえなりたいってことは、普段好きな人の周りにいる女なんてちょっとマジでなりたくて死んだりしてんじゃねーかって、軽く心配になった。

  まあ、そんな感じでね、久し振りに会って、話して楽しかった、知るも知らぬも逢坂の関、ってだけの話なんだけど、それじゃあいくらなんでもじゃんっつー、いや別に良いんだろうけどさ。ブログだし。馬鹿みたいな文量を書く必要なんてさらさらないわけだし、好きな人と会う、なんてブログを再開して以来の事件なんだし、克明に些細に記録しておくべきでしょ、みたいな思いもあって、ただあれだわ、こうやって好きな人のことを書き始めてからわかったけど、俺、こういうルポルタージュみたいなの完全に向いてない。いつもよりフルスロットルで話に脈略がなくなる気がする。それも悪い方へ。

  ほら、今までって自分がただ思ってることをそのまま書いてたわけで、好きな人のことについて書いててもそこには好きな人なんて居なくって、結局ただの感想文だったんだよね。主体が自分の。そういうロマン主義的な慰みに慣れ過ぎて、いきなり今日は写実主義でお願いします、みたいなノリで感じで来られるとさー、どう書き進めんの?  っつー。

  ほんと、前にミヤタのことを書いた時みたいにただ出来事を羅列するだけになる気がするし、なんだろ、へんに気持ちが入っちゃってる分、自分の感じたことと、見た光景のどっちに軸足を定めればいいのかわかんなくって、正直ちょっと混乱するというか、いや、もうめちゃくちゃ楽しかったのはそうなんだけど、そうなんだけどさ。

  たとえば好きな人が泣き崩れて、俺もその涙を拭ってやって、これはオメェには似合わねぇものだよ、とかなんとか言ってね、こう、おでこにキスとかしてさ。思わず好きな人も笑ったり、みたいな。いやこれはキモいよ。大丈夫わかってる。たとえのやつね。これはもののたとえとしてなんだけど、こういうワンハプンでもあれば俺はそこに向けて書くことができるし、けど特に何事もなく、楽しく飲んでってして、じゃあねって終わっただけだと、なにから始めてなにで終わるべきなのかがわかんなくなる。次回はボイスレコーダーでも用意して、それをノーカットで公開したら良い?

  なんだろ、とりあえず今回はダイジェスト版的な、ティザー広告みたいな感じで一部分だけを書いて、続きは出るはずのない書籍版で、っつー感じでお届けしよう思うんだけど、なんか入った店でモッツァレラチーズとお餅の揚げ出しみたいな料理があってさ、好きな人も俺もチーズが好きだからそれを頼んだんだけど、好きな人が料理を取り分けてあげるね、つって、自分のところにはチーズだけを入れて、俺の方に餅しか入れてくれなくて、俺は、おいおいおい〜!  的なことを言って二人でいっぱい笑ったりした。(ちなみにこのおいおいおい〜!  がすごく面白い)  それでその次に、じゃあ俺が今度は入れてあげるね、つって、自分のところにはチーズを入れて、好きな人の取り皿には端に盛られてる大根おろしの塊と餅を入れて、げらげら二人でまた笑ってたんだけど、その隙を突かれて好きな人に取り皿を変えられてさ、そっから解散の時までずっと、俺、笑ってた。

  いやしかも、もうこの流れも二十回くらい過去にしてるもんだから、もはや恒例となりつつあんだけど、その毎回が神回で、俺たちやばくない……?  仲良しが過ぎない……?  って再確認し合って、100点満点中5000京点あげあって、最高だね大成功じゃん、つって今回も。げっ、思い出すだけでもう一回してえ。

  ただ、これだけはあらかじめ言っておきたいんだけど、半年振りにしたこの、おいおいおい〜!  は格別、みたいなのはマジであった。ウイスキーとかワインと同じで、今回のに関しては、別格のおいおいおい〜!  が出てた。年代物はやっぱり香りや味が違う。ほほう、今回のおいおいおい〜!  は半年ものですか、みたいな。

  ま、その場では、おいおいおい〜!  ってちゃんとやったけどさ、それがうちらのルールだかんね、でも本人には言ってないけど今回ばかしはちょっと、本気のおいおいおい〜!  じゃなかった、みたいなとこは正直ある。好きな人が目を細めながら美味しそうにチーズをびょーんって伸ばしながら食べてて、むしろ、みたいな、とこはあった。むしろ、こちら側の方が得をしてしまいました、的な優越感がなかったとは言えない。好きな人がチーズを美味しそうに食べてて、それも、俺には要らない餅を入れてやったよヘッヘッヘみたいな、計画通り、みたいなしたり顔をしてて、俺はその顔がすげー好きだなって思ったから最終的な幸福度では俺が勝ってたぜ、っつーさ。その上、餅も食えたし。

  なんか俺、そうやって飲んでる間ずっと好きな人に、好きだ、付き合おう、もういっそ結婚しよう、てか今からキスしない?  とか言いまくってて、好きな人はそれをロボットかよっつーくらい無視してくれて、俺が講じた策も作戦も全て看破してくれて、その関係性がすげー居心地良くって楽しくて。逆に気付いちゃった。ああもうこれってあれだ、俺ってとっくの昔に好きな人のこと諦めてたんだ、みたいな。だってさ、本当に付き合いたくてドキドキしてた頃は好きとかそんなこと言えないくらい顔真っ赤にしてたんだもん俺。もうさ、未練とか付き合いたいって気持ちって本当に俺の中からなくなっちゃってて、もちろん変わらず好きなままなんだけどさ、自分から出る言葉とは裏腹にどこまでもそれらに意味なんかなくなっていて、ただのコミュニケーションの代替に成り下がって、だけど今のこの関係って俺にとってはすごく楽しいもので。

  そりゃそうだ、こんなのただのハラスメントなんだから。友達という関係と相手の人間性に甘んじて期待して、好き勝手振舞ってんだからそりゃ楽しいに決まってる。自分が太客だと思い込んでるキャバクラの客と同じ精神性だよ。けど、多分これって、相手からするとそんなに居心地の良いものではないはずで、そもそも関係としてはかなり不自然で、それも頭ではとうに分かってて、擦り切れるくらい考え抜いたことで、それでもなんとかかんとかこの不安定な関係が続けられてんのはやっぱり相手のおかげだな、つって、申し訳なさと楽しさで、帰り道、少しだけ、やり直してー今日、と思った。

  なんか好きな人と会う前に時間があったから高校時代の友達とその奥さんに会って喋ってたんだけどさ、その時奥さんに、好き好き言い続けてたらそりゃ好きなままだよねー、みたいなことを言われて、それはほんっとその通りで、好き好き言い続けるのってすげー楽なの。思考停止みたいなもんで。でも相手にも自分にも何らかを強要しないと続けらんない恋なんて、ほんとにほんとにやめるべきだわ、って感じたよさすがに。で、振り出しに戻るわけ。

  理屈はわかったからどうすればやめれんだこれ。マジでさ。なんか途中、好きな人にどんな人がタイプなの?  って訊いて、それで好きな人が、引き際をわきまえてる人、つって、俺、それ聞いて、あー

 もう最高だよこの人、って感じですっげー面白くてげらげら笑ってたんだけど、本当はそうじゃなかったんだよ、俺のとるべき行動って。俺の反応は本当に間違ってる。いや別に相手が本気で言ってないことくらいわかってるし、ひょっとするとマジで言ってたのかもしんないけど、いずれにせよ、空気なんて読まずにマジで心から謝るか、立ち直れないくらい落ち込むかするべきとこだったんだ。好きな人なら。友達なら尚更さ。

  いつまでこんなことしてんだろって身に沁みた。このままだとマジで相手が我慢できなくなって関係が壊れるまで好き好きやっちゃってるよ、みーたーいーなー、ね。いや別に落ち込んでるとか病んでるわけじゃないし、あの、会って話してってしたのは、そんなの全部差し引いても本当に本当に楽しかったのよ。わかんない、相手がどうだったかとかはわかんないけど、たぶんちゃんとめっちゃ楽しんでくれてたと思うし、なにせ5000京点だからね、多少の減点なんて目じゃないくらい楽しかったんだけど、俺はきちんと今の状態が期限と条件が付いた仮釈放中の身分だってことを理解しなきゃなんないし、それは大なり小なり相手の我慢の上で成り立ってるってことを正しく認識しなきゃいけない。

  そういう意味でもやっぱり会えてよかった。前に好きな人について、驚天動地の神通力がある、みたいに書いてさ、やっぱりそれは全然色褪せないままなんだけど、あ、そうだ、話は変わんだけど、俺、すげー好きで敬愛してる人がいて、その人って学生時代にしてたバイトの先輩で、もう結婚もして子供も身ごもってる人なんだけど、別に連絡なんて取らなくたってそれが当たり前だし、けどどれだけ時間を経ても、たとえ共通の話題なんてなくっても、連絡すれば再会さえすればそれまでの時間や環境なんてまるで関係なかったかのように話せる人で、俺、そんなふうになれたらって思うよ。理想形がそれ。で、そのために邪魔なものも余裕でわかる。簡単な引き算だし。俺、義務教育どころか四年制大学も出てんだし。なにより一番重要なのはさ、相手もそれを期待してるはずだったんだ、ってこと。ようやくここまで足掻いて気付いた。つーか直視できた。あのさ、恋ってバーリトゥードじゃ全然ないのね。みんな知ってた?

  いやでもちょっとびっくりするくらい楽しかったな。楽しいだろう楽しいだろうとは思ってたけど、まさかここまでとはね。いまだにご機嫌なままだもん。ミヤタに無理言って飲みに行きたいって言ってよかった。すげー勝手だけど変な意味じゃなくって、ミヤタと色々話もしたし、だけど、それでも、もし結果論が許されんなら猛烈に楽しいまま終われた夜があって良かった。今すぐ全部が変わるってわけにはいかないけど、こんな日があって、それで角度を一度だけでもつけることができれば、将来には大きな差になってるはず、じゃん。

  最後もね最後もね、終電にはずいぶん早い時間に店を出たんだけど、駅のエスカレーターで隙をついて頭を触ってたら、これはなに?  って怒られてそのまま別れてさ、終わり良ければ、でいくと今回のケースはまさに最悪だし、好きな人のハートを射抜くことはついにできなかったわけなんだけど、でもなんかもうこれでいいのかな。少しは整理できるかな。あれ?そういえば今思ったけど、俺、好きな人にあけましておめでとうってちゃんと伝えてない気がする。どっちか忘れた。まあ、別に何回言ってもいいじゃんね、めでたいことなんだし。じゃあ改めて半年越しに、今年もよろしくお願いします、つーことで、ここに俺の万感を込めるよ。

恋煩ってない

 俺にはもうかれこれ半年くらい好きな人が居て、でもまぁはっきり言っちゃうと半年前に振られた元カノだからなんか全然純粋な片思いみたいな感じではないんだけど、でもまあそれなりに、俺なりの片思いはちゃんとしていて、その時々で楽しかったり悩んだりみたいな、一通り片思いイベントの実績は解除してますよつーことで、でもこれもうそろそろ彼氏いるなら諦めるべきだよな、けど相変わらず好きだなとかなんとかクダを巻いていた。

 

 そんな頃、たまたま飲み屋で知り合ったちょっと可愛いタメの女と、適当になんだ、そいつをミヤタとでもするけど、何度か飲みに行ったりしてたそんなある日、ミヤタが餃子のタレを入れる小皿にラー油で変なねこを描いて、俺はそれをおーうまいじゃんとか言いながら眺めてたら、ミヤタ、運ばれてきた餃子をその自分でラー油だらけにしたタレに付けて「からいからい」と楽しそうに笑ってて、ぬへえミヤタちょっといい子だな、と思ったりなんかもした。

 

 それからもしばらくの間はミヤタと遊んだりご飯を食べたりしてたんだけど、まあ、複数回ご飯食べたらわかるじゃん、ははんミヤタさてはお前、杏仁豆腐と肉と俺のことが好きだな、みたいな。で、結局俺には他に好きな人がいることを伝えて、その後少しだけ間をおいてミヤタから告白されて、断った。だってその間もずっと好きだったし。好きな人と最後に食べたイタリアンがすっごい美味しかったんだよ、んで無料のドリンクチケット持ってるから俺次また一緒に行くまで彼女は作んないって決めてんの。で、まあ気持ちは嬉しいけどごめん、俺前も言ったけど好きな人居るわって、ミヤタは何か冗談を言って、俺もそれに何か冗談を返して、その後ちょっとだけこらえきれない感じで泣いちゃってたんだけど、やっぱり最後にはいつも通り笑ってた。ミヤタいいやつだよな。

 

 その帰り道タクシーの中で、俺もそろそろいい加減ここらが引き際だな、とか色々考えて結構へこんだ。これって俺が好きな人の前で泣きたくないから選んでこなかった分岐なわけだし。ミヤタの肩を抱いて一緒に泣きたかった、しんどいよな泣けてくるよな俺もその気持ちわかるよミヤタはすげーよ俺そんな勇気ねーよって、そんなことしちゃうと辻褄が合わなくなるからしなかったけど。

 

 で、その翌週に大学んときのバイト先の同窓会があった。そこでたまたま近くに座ってた子が楽しそうにぽぽわんとしていて、俺は好きな人のことを話して向こうはなんか仕事の愚痴みたいな、はいはいそういうのってどこも一緒なんだねーつって、そんな感じで二人で話し込みながら、なんとなくそいつに気がある素振りを見せてみたら反応良くて、その後家へ行って、どこからが浮気なんだろうね、まあそういうのは人それぞれだしね、みたいなことを言い合いながら服を脱がせて、そっかじゃあ俺たちがこれからするのって俺的には完全に浮気だなとか考えながら、そいつと寝た。その時、なぜか好きな人じゃなくてミヤタのことを一瞬考えた。別に罪悪感とかじゃないけどさ。ミヤタ今何してんのかな、さすがに寝てるかって。

 

 んで朝、今日は仕事ないんだっけ?別に何もないよごめんちょっとタバコだけ吸って来ていい?あ、別に良いよここで吸って、え、そうなの?ありがと、みたいな、友達が吸っててわたしの部屋でも吸ってるし、的ななんの変哲もない会話をこなし合いながらのそのそと起きて、好きな人から何も来ない携帯に虚しくなれた頃にちょうどタバコも吸い切って、つーかそのタバコ吸ってる友達って男でしょ、とか言いながらベッドでこのやろーなんてイチャイチャしつつ夜までダラダラ過ごして、ご飯食べに行く?いや俺昨日着てたスーツしかないしやめとく、みたいな会話があって、それじゃまた遊ぼう暇だしつって、その次の週末にすぐまた同じような日を過ごした。でもその時はちゃんと着替えを持って行ったから夜ご飯も食べられて、そこでも俺は好きな人の話を相変わらずしてて、相手は仕事の愚痴を言ってて、もうこのまま付き合えば良いんじゃない?みたいなことを冗談っぽく言われて、よし付き合うかつって、俺好きな人いるんだけど、って二人で笑って解散した。家に着いてから、あれ、わたしら結局付き合ったの? そうなんじゃないの? 急展開過ぎてウケるね、とかくだらないやり取りをしながら、その時ラインしてた好きな人にも話した。俺、彼女できちゃった、って。

 

 なんだ、隠すのもあれだし、このことがきっかけで俺はもう別に好きじゃないし友達として仲良くできるから安心して、ちょっと今まで気まずい思いさせてごめん、いやごめんつーかまだ当分好きなんだけど、これで前に好きって宣言した分は帳消しでしょ、みたいな。ほら、また今までみたいに、それは完全に浮気じゃない? 違うよ俺が好きなのはお前だって、はいはい、なんて楽しくて、でもお互いがお互いを完全に対象外に見てるからこそできる会話だよねこれ、っていう暗黙の了解を再確認するような儀式っつーか、茶番なのかな、とにかくそんなやり取りを経ることで、今後徐々に自然と諦められる方向へ向かうでしょ頼むぜ将来の自分、とか思いながら、そこに込められたものは全然軽くはないんだけど、比較的小さめの箱で配達したら、結構本気で怒られた。相手誰? ミヤタ? みたいな、初めてそんな姿見ちゃったよって勢いだし、なんで怒ってんだよほんと俺の気持ちも知らないでさなんて、いや、相手は俺の気持ちを知っているわけなんだけど、つーかそもそもそんなこと思わなかったし、むしろ嬉しいつーか、え、パニックなんだけど、みたいな、そんな風なことを思って混乱してる漫画の登場人物ありがちだよな、みたいな、そんな感じで。

 

 ま、過ごすつってもさ、相変わらずどう考えても脈に加えて信頼もねーし、相手にはずっと彼氏もいるし、その彼氏とはイチャイチャしてるだろうし、え、待てよ、お前イチャイチャしてんならそういうの俺にも教えてくれよ、どんな風に好きって思うの、どんな顔で受け入れたりすんの、可愛いだろうなその顔、そういうパターンで照れてるのなんて俺見たことないし、ちょっと写真くれない? いやもちろん嘘だよ見せてくんなよばーか隠せ隠せ、みたいな、とにかく未知過ぎるんだよね、相手のそういう部分。全然デレないし俺の前では。しかもなんか彼氏との関係、周りからあんまり応援されてないっぽくて、でもそれならなおさら好きな人とその好きな人なんだからさ、俺くらいは応援したいじゃんか。その分野で一位とりたいっす。あ、でも当然応援してない人ランキングの方もぶっちぎってますけどね、二位から俺の姿全然見えねーから、会長みたいなところあるから、みたいな。あーほんとごちゃごちゃしてんなこれ、誰だよこんなに詰め込んだ奴。整理整頓しらねえのかよってキレ気味に。だからって別れて欲しいのかと言われると、それは違うっていうか、いや確かにさ、別れて欲しいし、食い気味にあったりめーだろって感じで、別れて欲、くらいでそう言っちゃう勢いではいるんだけど、俺が理由で、とか、俺が好きって言ってくれるから、とかそういうのはまた違うくない。俺が居ないと付き合い続けるんなら、それはたぶん俺が居てもそうする方が正しいし、できれば俺以外がきっかけで別れて欲しいし、俺が理由で付き合って欲しいし、みたいな。

 

 あのさ、俺付き合った後に他の男にとられるとかめちゃくちゃ怖えもん。うん。だって俺の好きな人って最高じゃんか。周りにいる男、全員好きじゃん絶対に。だから、ちゃんと付き合うからには、友情みたいなものを生贄に捧げて恋人を召喚するにはさ、良いスタートを切りたいわけで。友達とか会社の同僚とか親とか将来の子供とかが、まあそれは誰でもいいんだけど、二人はどうやって付き合ったの? つった時に、お父さんはお母さんを他の男から奪ったんだよって。いらねーよ。その第三者。俺らの輝かしいスタートラインに一緒に並ぶなよてめー。ま、俺もミヤタのこと、好きな人が居るからって振ったし全然わかるんだけど。むしろそれが自然ってことくらいすげーわかってる。けど今回ばかしは俺っち本気だから。好きと付き合うがイコールじゃないなら、俺はイコールになるまで待つしその為の努力はするよ、我慢はできるつもりだよって。

 

 そうやってやっとこさ元通りしまい終わった時、ここにきてどうすることもできなくなった。で、どうすんのこれから、みたいな。努力って具体的に何すりゃ良いの?我慢って何待ち?前みたいに好き好き言って良いの?って感じ。いやいやそれはマナー違反なんじゃねーのって。レギュレーション違反でしょって。だって我慢してねーしそれ。

 

 そうやって日々悩んだりしながらもマクロでは楽しくて、そうじゃない時は気の良い友達たちに支えられたりしながら、今までまんまと好き一本でやってきてる。年末年始も大型連休も四六時中営業中だし、好きだけを売りに広告とかもバンバン打ち出してる。客来ねーけど。これ以上余計な人物は登場しないし、させない。なんかミヤタが会社の上司からセクハラされて会社を休んでたり、なんかそのあと裸足で困った風に笑いながら、ストレスかわかんないけど左手がうまく動かなくなっちゃった、とか言ってて、これよくわかんないけどかなりエッチだなとか思ったり、そんなミニイベントは日々あるんだけど、脇目も振らずどんどん好きなまま。大丈夫。ミヤタは大丈夫じゃないけど。

 

 これまでそれなりに付き合ったり別れたりしてきてさ、そうやってどんどこ俺も大人になってってるし、予想されるくらいの孤独や手持ち無沙汰な時間を埋める手段なんかは知っちゃってて、それでも何をしていてもどこに居ても隙間はできちゃうんだけども、ま、そんなもんでしょ片思い、っつー感じで誤魔化し誤魔化し。大丈夫。

 

 なんか思ったんだけど別に自分にこれと言ってわかりやすいアピールポイントがあるわけでもないしさ、ただこれまでの俺の人生って品行方正に生きようとしたかっただけなんだよね。元々がクソなのに。性根の腐った奴がモラリストぶって生きようとしたくだんねーもんの総体が俺の基本形なわけだから、自分をプレゼンする片思いっていう作業に、とにかく幅がないの。三ヶ月もしてたらそろそろ周回しちゃうよって感じで、この切り口は前に一度見せたけどこうこうこういう理由でお前のことが好きでって、つーかあれ、さっきから俺ばっかり喋ってない? 大丈夫? これ空気読めてる?それはそうと今日いつもより可愛くない?みたいな。もうね。超楽しいわ片思い。いい加減付き合ってくんねーかな。

ミヤタという女

 頭の中にいる天使と悪魔が俺の恋愛にいちいち口を挟んでくる。好きな人のことを好きでい続ければ必ず結ばれますよ、と天使が優しい微笑みを浮かべながら言って、俺は、うんうんありがとう、そうだよな。惚れちゃった俺が頑張らなきゃ誰が頑張んだよな、って相変わらず今日も脈一つない好きな人に必死に心臓マッサージをしながら、でも心電図はずっとフラットなままで、はあ〜ってたまにため息をついたりする。

 

 そんな時には決まって悪魔がぼわわわんと横から現れて、おいおいそいつはもう死んじゃってるよ。そいつより可愛かったり優しいやつなんていくらでも周りに居るじゃねーか。でもそいつらじゃダメなんだろ、ならため息なんてついてねーでシャキッとしろ、なんて耳元で囁いてきて、オーケーオーケー、お前らグルってわけね、ちくしょーってまた心臓マッサージを再開する。

 

 正直さ、完全に飽きてはきてる。片思いって状況そのものに。最初の頃とかはさ、おい!目を覚ませよ!勝手に死ぬなんてぜってー許さねーぞ!くそっ!くそっ!とか言いながら救命病棟さながらの心臓マッサージをしててさ、視聴者もそのシーンを見ながら手に汗握って、お願い、生き返って、なんて思って、そのドラマチックな展開にドキドキしながら固唾を呑んで見守ってたんだと思うのね。そっから三ヶ月、ずっとそのシーン。このドラマ。いや、ほんと俺が不甲斐ないばっかりに、かれこれ通算1クールも心臓マッサージしてる。次回予告もずっと心臓マッサージのシーン。

 

 途中一回、知らない人がAEDみたいな機械を運んできて、俺すら状況が分かんないまま、離れて!ショック与えます!ドンッ!みたいなシーンがあって、それが終わった後、その知らない人は満足げに頷きながら帰ってって、あれ、これまさか心臓動いたんじゃね、つっておずおずと近付いてみたらやっぱり全然動いてなくて、じゃあ何だったんだよ今のヤツみたいな。周りにいるナースとかも、えっと、どうしましょうかみたいな顔してるし、俺も、あー、じゃあ、とりあえず心臓マッサージ戻りましょうかつって。祝!2クール目決定!って。アホの番組かよ。

 

 なんか途中から俺、生き返って欲しいとか振り向いて欲しいみたいなのから、自分がばかすかマッサージしてるもんだから手の感覚がおかしくなっちゃって、自分の心臓マッサージで起きた振動に、あ!今脈あったくない!?実は心臓動いてるんじゃないの!?って因果を取り違えて錯覚してた節がある。待ちの姿勢になってた。おかしくない?片思いしてる側なのにさ。まず俺は相手には脈がないってことをちゃんと受け入れないと、いつまで経っても片思いなんか始まらんないわけで。俺の好きな人は俺の知らないところで、俺の知らない欲望にもとづいて、ちゃんと日々反省と改善を繰り返して生きてる人間なんだから、俺はそれをちゃんと尊重しなきゃならない。

 

***

 

 あ、そういえば一昨日、以前の記事にチラッと出てきたミヤタと、振られた腹いせに飯を食べに行った。腹いせは、まあ、冗談だけど。なんかその日は午前中だけ会社の会議があって、ミヤタは結構ギリギリの時間にばたばたと眠たそうな顔で会議室へ入ってきたんだけど、ミヤタといえば少し前に告白されて以来、仕事の昼休憩の時にたまたま一緒になって飯を食うとかそんなのを除いたら、配属先も変わってほとんど会うこともなくなって、ラインのやり取りとかもそれから数回程度。まあ、ミヤタのことを狙ってるっつー同僚の話を聞いてたり、ミヤタ自身も上司からセクハラを受けて左手がうまいこと動かなくなって仕事を休んだりと毎日忙しそうにしてたもんだから、用事がある時しか俺からは送らなかったし相手からも特に用事がないと連絡はこなかった。ま、そりゃそうか。

 

 でも別にそのことでお互いに気まずくなったりとか避け合ってるって感じでもなかったから、すれ違う人すれ違う人に、え!やばっ!久し振りー!あ、ちょっと待ってここから髪出てるよ、動かないでね、あれ、これ髪留めなんだ、おっ、なになに君も久し振り、いつ以来だっけ?え、うそ、今週?あ、そっか、みんなバーベキューで会ったんだった、あははとか愛想を振りまきながら寝ぼけてるミヤタを近くから眺めて笑ってたし、それに気付いたミヤタも俺の方へ近付いてきて、おはよー、よこ座っていい?あ、でも、うち、夜勤明けでそのまま来たからあんまり近くには寄らないでね、くさかったら嫌だし、くさくないけどなんて笑いながら普通に話しかけてきた。

 

 どうぞどうぞつって始業までの時間、この間行った筋だらけの肉を出す焼肉屋でミヤタが口いっぱいの肉を頬張って、はふへて(助けて)……と二、三十分もぐもぐもぐもぐしてた時の話で、あれやばかったよね、うちローファー食べてるのかと思ったもん、とか話して笑ってたり、その時俺が飲んでた爽健美茶を見て、えー爽健美茶はないよ、一番好きなお茶ってなに? 爽健美茶に決まってんじゃん、えっ信じらんない絶対に生茶だから、とか言っておきながら、でもミヤタのカバンから出てきたのは伊右衛門で、ちょっと今出てこないでー! とか言ってるのを見て、二人で涙が出そうになるくらい笑ったりしてた。

 

 そんなこんなで昼休憩、ところで好きな人とどうなったのって訊かれて、あっその話なんだけどね、って俺が好きな人との経緯をこうこうこうでって説明したら、それもう完全に振られてんじゃんーとか笑われながら、いや、俺諦めてないからなとか言ったら、うちも諦めてないよみたいなことをさらっと言われて、うわひっどー今の顔もっかいしてみて、絶対相手の子も同じ顔してると思うよみたいな、ばかやろー大喜びでしょつって、でも実際どれくらい好きなの、もうそろそろ三ヶ月くらいになるなーみたいなそんな話をしながら一緒に昼ご飯を食べた。

 

 最近好きな人の話になると、実は俺、今まで黙ってたんだけどクルタ人だから、眼が深い緋色に染まって、絶対時間-エンペラータイム-に入っちゃうんだけど、そんな様子の俺のことなんて全く意に介さないミヤタには、じゃあうちらが初めて飲みに行った時にはもう好きだったんだねーとかさらっと話を戻されて、うわ、そっか、ほんとだねって、俺の眼の色も元に戻って。

 

 その日って二月にしては暖かくて、朝起きた時に、俺っち完全に冬の寒さに慣れちゃったみたいだわ〜なんて自慢げに言ってて、家族からそれは今日が暖かい日だからだよ、ちょっと難しかったかな、なんて優しく諭されながら家を出たんだけど、そんなことも忘れて飲んだ居酒屋の帰り道、ミヤタがいきなり、あれ? うち冬に慣れたかも、とか同じようなことを言って、笑い転げながらだよねだよねつって、そんなことがあって絶対にコイツとは仲良くなれるなと思った。

 

 あーでもそっか、あれからもう三ヶ月なのかーって。長かったようなあっという間だったような、うん、たしかにあの時にはもう俺、好きな人のことずっと好きだななんてちょっと一人誇らしい気分になりながら、……ああそうだな、みたいな、こう舌で頬の内側をグリグリしながら格好付けてたら、横でミヤタは、そんなことよりさ、うちほんとに臭くない?大丈夫?ってのんきに自分の心配してた。ミヤタ、ブレない女。

 

 会議が終わったあと、せっかく新宿まで出てきたんだからぶらぶらしてから帰るわつって、ミヤタもミヤタで終業後もなかなか帰らないで喋る女子グループに混ざりにいくっぽくて、じゃあまた、ちゃんと風呂入って寝ろよーなんて言いながらそこで別れて、俺は同期の男たちと近くにあった快活倶楽部へ行って、しばらくした頃にミヤタからまだ近くいるー? みたいな連絡が来た。

 

 それで時間が合いそうな感じなら一緒に帰るかって話になって結局合流、まだ早いし、失恋を祝してご飯行こ!つーミヤタに風呂入らなくて良いのかよみたいなことを言いながら、昨日21時くらいにお風呂に入ったからそれまでは完全にセーフ、21時を越えると魔法が解けて途端に臭くなるけどって、最悪なシンデレラみたいな設定を聞きながら一緒に歩いた。

 

 その途中、ご飯の前に服だけ買いに行きたいから付き合ってと連れてかれた新宿のエストで、ほんとにここって何も無いじゃんとか文句言うミヤタが最終的にフレンチスリーブのニットを一着買って、そのまま買ったばかりの服に着替えて出てきた。ああなるほど、それなりに本気でくさくないか気にしてたんだ、あと、お前、おっぱいそんなあったんだ、みたいな。

 

 そのまま新宿駅のすぐ近くにある中華料理店へ入った。ここって酢豚と大学芋がかなり美味しくて、麻婆豆腐はそれなり、他はダメダメ。だけどタバコが吸えるところで俺は何回か行ったことがあった。ミヤタは酢豚と悩みながら結局杏仁豆腐を頼んで、そしたらちょっとした財産くらいの量の杏仁豆腐が出てきて二人で大笑いして、ミヤタは目をキラキラさせながらそれを美味しい美味しいと食べ進めてたんだけど、最後は無表情でゆっくりと杏仁豆腐をかき混ぜるだけになってって、これってほんとはみんなで食べるやつなんでしょ?みんなしてうちを笑ってるんでしょ?と人間不信気味になってて、それを見て俺が笑ってミヤタもつられて笑った。

 

 その後場所を移して軽く何杯かお酒を飲んで、けどお腹はいっぱいだったしさすがにミヤタもお酒を飲んですぐ眠たそうにし始めたから、結局魔法が解けてしまう前に解散した。久し振りに随分と楽しかった。遊んだってほどでもないくらい短い時間だったけど、俺、好きな人に怒られて不安だって言われた日から女と遊ぶみたいなことってなんとなくしてなくて、大人数でとか飲み会でとかはあってもとにかく極力極力控えるようにしててさ。これからもたぶんそうするんだろうけど、やっぱり自分に好意を寄せてくれる人と遊ぶのってそれなりにドキドキするし、可愛くておっぱいの大きい子と一緒に居るのは良い。そうじゃなくても気の合う人と会うのって単純に楽しい。うん。楽しかった。でもさー。

 

 

 やっぱさーーーーーーーーーー全然さーーーーーーーーーーダメなのーーーーーーーーーもーーーーーーーーーーーーあほーーーーーーーーーーー。

 

 

 楽しいことが起こる度、そこでの好きな人の気配の希薄さに後から気付いて、目眩がするくらいの取り留めなさを感じてしまう。だから、そうであるから、どれだけそれ以外が楽しくっても家へ帰ると俺はまた心臓マッサージを黙々と始めるし、そうやってる自分が全然嫌いじゃない。正直かなり好きだし心地良いと思ってる。だから救えない。ホイミなんて使えないけど、代わりに覚えたペース配分という名の魔法を駆使しながら、たまに俺はお前が好きだと宣言しちゃいながら、堂々の2クール目を迎えちゃう。主演は俺でヒロインがお前。演者の変更はなし。天使と悪魔が耳元で囁く声をメトロノーム代わりに、今日も心臓マッサージをする。

世界はそれを愛と呼ばない

 

 たとえ友達が日常の幸せを反芻するツイートをしていても、別の友達が彼氏と一年記念日にディズニーのホテルを予約してくれただの、有休を取って旅行に行くだの幸せど真ん中の位置情報が付いてる投稿をインスタでしていたとしても、俺は今日も俺がかつて付き合っていながらどうしようもないくらい傷つけた好きな人のことを書く。

 

 まぁ、別にそこに不満とか一切ないんだけど、なんだろ。税金安くなったりしない?ただでさえ所得税をバカみたいに毎月払ってるわけだしさ。ほら、あのちょっと前にエコカー減税とかあったじゃん。それもあっめ俺の友達がテスラを買ったんだっけ。なんかそれみたいな感じで、幸せな排出量が多い人達からそれなりの税金を取ってもいいんじゃないかな?みたいな気持ちは正直ちょっとある。

 

 だってさ、周りが排気ガスを撒き散らしながらダンプカーみたいなのを乗り回してる横で、俺はその排気ガスを吸い込んでゲホゲホ咳き込みながら自転車を漕いでるわけじゃん。風刺画かよ。それは「快適」っつー題が付けられた風刺画だよ。別に惚気るなとか不幸になれってわけじゃないんだけど、ただ、多めに税を払ってほしい。

 

 「その幸せを自ら放り投げたのは他でもないお前だろ」って?ごめん。今完全に俺自分のこと棚に上げた。それ言われたら何も言い返せねーよ。俺が、俺だけが超悪いし。そこはマジであれから一回もブレてないよ。反省も後悔も死ぬほどしてる。朝起きて一人だし、夜寝るときも一人みたいな生活の中で、日々当時を思い出しては、毎日「俺何してんだろ」って思うし、「俺が捨てたものこそが目にみえないほんとうにたいせつなものだったんだな」とか日々アホみたいに思い返してる。本当に泣きたいのは絶対に俺じゃなくて向こうだってことも分かった上で、でも俺もたまに泣きたくなる。泣かねーけど。俺にそんな資格ねーし。

 

 それはそうとして、こっからまたゴリゴリに棚に上げて話していくけど、あれだや。今月幸せだったから知らない間に幸せ排出量増えててやばい!笑 みたいなことを言ってる人を見ちゃったら、俺もう、悪魔の実を食べちゃうだろうな。ゾオン系の。クマクマの実(モデル羆)を食べて、第二の三毛別羆事件を起こすと思う。そうじゃなくても、こう、税務署の職員とかが家に来て俺のブログを読んでさ、おっ幸せ排出量がすごく少ないですねー、非課税内に収まってますよーみたいな、なんなら俺の申告してる量があまりにも少ないから、あのですねー、恋をされている方としては少し不自然な数値でして……つって幸せ脱税容疑で捕まったりしてさ。

 

 被告人!あなたは幸せ排出量を過小に申告しているのではありませんか? 異義あり! 全てありのまま申告しております! しかしですねぇ……この程度の幸せじゃ人を愛し続けるなんて出来ないでしょうよ……うちの三歳の息子ですらあなたより税金が高いんですよ(ここで傍聴席から失笑が漏れる)、静粛に静粛に! 判決を言い渡します。主文、被告人に死刑。最後に何か言いたいことは? おれは……おれは本物の怪物になりたい!!!つってね。そんでランブルボールを三つ食べる。って俺は一体何の話をしてるんだ。誰か早く折ってくれ、話の腰を。

 

 まあなんだ、こんな来る日も来る日も自分の行いを後悔して、そんな資格もねーのに好きでいたとしても、俺だって男の端くれ、女の子と遊びたくなる日もあるし、意味なくベタベタしたくなるときだってある。自分のことを好きだと言ってくれる人が現れたり、そうじゃなくても、それなりに密にコミュニケートしてる人と飲みに行って、いい感じの雰囲気にでもなったら、俺はこの後こいつと激しいキスをしてるんじゃないか?とか思わないわけでもない。もちろんそんなことはしないし、まあ、その、そもそも論の話、いい感じの雰囲気になんてならない、というか密にコミュニケートする人すらいないんだけど。ないけどあるみたいに書くのが文章の趣なんじゃねーの?知らねーけど。

 

 たしかに好きな人じゃない人と遊んで期待以上に面白かったり、好きだと言われて想像以上に嬉しくなったりすることはあるけど、魔法みたいに世界を一新する驚天動地の神通力なんかなくって、結局、ふだん生活している好きな人がいない世界の延長でしかないことに気付く。そうなると途端に何もかもが馬鹿らしくなって、ぷしゅーと興味がしぼんでいく。みんなの彼氏や彼女にだってあるでしょ?そういう力。そんなこんなで、俺の気持ちは一つの目的語でしか語れないし、それを表す言葉は一つしかない、形容する形容詞も、生かす動詞も一つずつだけなんだと、今のところ結論付けている。

 

 でもまあこんなこと言ってても、好きな人とは交わることのない今の世界線の遠い未来で新しい好きな人が俺にも出来るはずで。どれだけ偉大な魔法使いにも最期があって、そしてその意志を受け継いだ新しい者が立ち上がるってことを、俺はハリーポッターシリーズから学んだ。大切なことは全部ハリーポッターに書いてた。ほら、『ハリーポッターと賢者の石』のラストシーン、ヴォルデモートのことを「例のあの人」と呼び直そうとしたハリーに、

ハリー、ヴォルデモートと呼びなさい。ものには必ず適切な名前を使いなさい。名前を恐れていると、そのもの自身に対する恐れも大きくなる。

と言えた唯一の存在である、あのダンブルドアでさえも殺されて。だけど、亡きダンブルドアの代わりに校長に就任したマクゴナガルが、

彼の名はヴォルデモートです。あなたもそうお呼びなさい。どう呼ぼうと、殺しに来るのですから。

っつーことを、シリーズ最終章の『ハリーポッターと死の秘宝』でフリットウィックに言うじゃないですか。マジで痺れた。あとさあとさ、その直後マクゴナガルが、ピエルトータム・ロコモーター!つって石像を動かすんだけど、その時の、この呪文一度使ってみたかったんですよ、っつーセリフのチャーミングさとのギャップ。たまんない。

 

 いや、そもそもこのフリットウィックがかなりすごくってさ、魔法界って結構純血思想が残ってて、マグルの血が流れてるだけで混血だの穢れた血だの言われるような世界観なのに、フリットウィックは一人だけゴブリンの血が流れてんの。あんまりだよ。こんなのもう足かせってレベルじゃないでしょ。黒人差別が全盛期の頃にチンパンジーとの混血児なんか居たら、それはもう人扱いなんて当然されねーじゃん。

 

 それなのに学生の頃は決闘チャンピオンで、ホグワーツの呪文学の教授になってレイブンクローの寮監まで任されてる。凄すぎない?レイブンクローつったら、ホグワーツでもどちらかと言えば頭脳派集団なわけじゃん。高校時代にボクシングのインターハイで優勝してるチンパンジーとの混血児が東大法学部の学部長してんだよ。マジじゃん。ハグリッドがあれだけ問題を起こして仕事を辞めさせられたりアズカバンに突っ込まれたりと魔法省から目の敵にされてたのに、フリットウィックはマクゴナガルと共にアンブリッジに反発して、試験中に花火に追いかけ回されてるアンブリッジを見ながらガッツポーズしてもお咎めなし。最後はあのルーピンを殺した死喰い人ドロホフと決闘し、完全勝利。俺、フリットウィックが一番好きだわ。ホント尊敬する。

 

 じゃねえ。

 フリットウィックじゃねえ。んなことはどうだっていいんだよ。フリットウィックのことは特に尊敬してねえよ。どうしていつもこう、俺の話ってのは横道に逸れちまうんだ。

 

何の話だっけ。いずれ好きな人ができるかもっつー話だ。でも今はそんなのもちょっと考えらんないな。自分が他の誰かに今まで片思いして、自分を反省して生活を改めたり、日々を精一杯生きたのはこの瞬間の為だったんだ、なーんて言ってるって考えたら最悪だって思うもん。今までの恋はこいつに出会うためにあったんだ、なんて都合の良いことを考えてたらほんとぶん殴ってやりたい。タイムマシン乗って殴りに行きたい。

 

 だけどもし。もしも、いつか、俺のことを大好きな誰かが、偶然だとしても目の前に現れたとして。その子とどんどん仲良くなっていって、ある時、俺に備わってる鋭い観察眼と綿密に計算された論理にとらわれない自由な発想で、どうやらこの子は抱けそうだぞ、となったとして。その子と飲んでるうちに終電がなくなって、そのままなし崩し的にホテルに入ることになって。だけど俺にはまだ好きな人がいて、その子もそのことを知っているから精一杯自分の気持ちを押し殺した作り笑いで、エッチしても友達でいようね、なんて気を遣われたりして。その時、急にこんな自分が恥ずかしくなって、同時にその子に随分前から惹かれてたことを思い出したような錯覚に陥って、誤魔化すように頬にキスしたりしてさ。続きはちゃんとけじめをつけてからにする、なんて格好つけて、そんな俺の格好つけも全部相手にはバレてるんだろうけど、でもそれには相手は何も触れず、ありがと、とだけ言って、それから随分と俺は悩むわけ。

 

 やっぱり好きな人のことが好きなのは変わらない。だけどその子に惹かれてってる自分も確かにいる。悩んで悩んでってしてる時、あんたとホテル行った後、あの子ほんとは怖くて辛くてずっと一人で泣いてたんだよっつーことを共通の友達から聞かされて、すっげー怒られて。それを聞いた時に、やっと、俺は好きな人のことはもう忘れようって、心から決意できるわけ。

 

 なんだろうな。正直なところ、俺が好きな人にかけられた(いや、俺が自分自身にかけたの方が正しいのかもね。)魔法はたしかに強大だけど、俺は幸運にも尊敬する呪文学の教授を知っている。俺のお願いに対して、その人はただ何も訊かずに頷いて、フィニート・インカンターテム(呪文よ、終われ)と言った。

 

やっぱりこれ、フリットウィック先生って凄くないですか?

無人島に何か一つだけ持っていけるとしたら?

無人島に一つだけ持ち込めるなら?っつー話になった時、だいたい人って五パターンに分かれると思うんです。サバイバル用品や生活必需品、食糧なんかを答える「生真面目型」、そもそも無人島で生き抜くことを考えない「脱出志向型」、レジャー用品や嗜好品を挙げる「刹那主義型」、自分のキャラクターをアピールしたり大喜利に走る「自己主張型」、もはや質問の意図が伝わっていなさそうな「人格破綻型」ですね。

まあ、どれを選んでも結局は普通に死ぬんだけど、面白いのが人によって答えはほんとにたくさんあるわけで、これだけ色々な答えがあるなら、ある程度性格判断なんかにも使えそうだな、なんて思って。なので今回は、俺が今までに読破していない数々の行動心理学や精神分析学に関する知識に基づくことなく、独断と偏見で性格診断をしたいと思います。無人島に持ち込む一つのものを頭に浮かべながら、読み進めてください。

 

思い浮かべましたね?それじゃ始めますよ。

 

生真面目型

おそらく大多数の人たちがこれに当てはまります。よく言えば堅実ですが、その実態を一言で表すと「無難」。指示通りに何かを続けることが得意で「平均点こそが満点」を旨とし、大きな成功はないけど大きく躓くこともない。しかし今まで大きな失敗をした経験がないため、心の中では自分は正しいと思っているプライドが高い一面もあります。

「ナイフ、ライター」派

生真面目系のちょうど中心に位置する「ナイフ、ライター」型は、生真面目系の傾向を強く持っています。公務員が正常位で子供を作ったらこう育つだろうという感じですね。知識が豊富にある反面、頭でっかちになりやすく機転や想像力もないので、実際に無人島に行くと魚や動物をナイフだけで捕れるはずもなく、結局持て余したナイフや火を眺めながら「普通に水を選択しとくべきだった」と後悔しながら死にます。

「水、食糧」派

生真面目系の中でも特にプライドが高く無意識に人を見下す傾向にあるので、自虐風自慢や自分の知識をひけらかすことを好みます。また自分の選択が常に正しいと思い込む視野狭窄さも大きな特徴です。しかしそのプライドを支える選択眼は確かなもので、ある意味では生存できる可能性が高い人たちとも言えます。もっとも何の解決にもなっていないので、徐々に減っていく備蓄に恐々としながらゆっくりと死にます。

「釣り竿」派

大抵のことはそつなくこなし、人から「要領が良い」「器用だ」と思われることが何より嬉しいと思っているタイプです。人柄もいいので学生の頃はそこそこモテますが、挫折に極端に弱いので突然人生をドロップアウトしたり、みんなが大人になる頃に底の浅さが露見する場合があります。何かの拍子に釣り針を食い千切られたあと、くるくる回るおもちゃの付いた長い棒に成り下がった釣り竿を抱えながら死にます。

 

脱出志向型

いたずらに生存日数を伸ばしても無人島に居る以上生き続けることは不可能であり、リスクを背負ってでも無人島から出られる可能性を高めるべきだと考える合理的なリアリストです。しかし独善的な面もあり、周りから感情のないサイボーグのような印象を持たれることも多いのですが、実際はそう思われることが格好良いと思っているかなり人間臭い人たちです。生真面目型を心底見下しています。

「無線機、ラジオ」派

理系学部の院生。アマチュア無線の三級を持ってます。「電気なんかどこにもないじゃん」と言っても、メガネをクイッと上げながら、海水から電池を作る方法を説明してくるハイスペックなタイプです。ただまあ、本人が生粋のかませ犬なので、本番の無人島では成功しなくて「ば……馬鹿な……私の計算に狂いは……」と言いながら死にます。

「発煙筒、双眼鏡」派

生き延びるという選択肢を完全に捨て、天に運を任せるこのタイプはある意味で最も合理的なのかもしれません。レンズを反射させて位置を知らせたり、うまいこと火を起こしたり、とにかく自分が生きられるであろう数日の間でいかに発見されやすくするかを考えます。当然そんなうまい話はなく、普通に数日後に死にます。

「毒薬、聖書」派

何も無人島から出ることだけが救いではありません。彼らにとっては死でさえ救済であり、それが神の思し召しならば喜んで受け入れるのです。誰がこの選択を笑えるのでしょうか。彼らだけが現実に向き合い、そして一つの答えを出したのです。アーメン。生きるか死ぬかだけで言うなら死にます。

 

刹那主義型

この型は大きく二つ、自然を舐めてるか何も考えていないかのどちらかです。いずれにしてもただの馬鹿なのですが、人生における最大瞬間風速だけで言うならこの人たちは群を抜いており、無人島という極限状態では、ある意味一番幸せかもしれません。ギャルやハーフタレントはだいたいここに分類されます。

「日焼け止め、手持ち花火」派

無人島をプライベートビーチくらいに考えていて、事実一日目の夕方くらいまではすごく楽しいんだと思います。馬鹿ですが根本的には気の良い子たちなのでどこか憎めず、特に人に対して偏見もなくみんなと分け隔てなく仲良くなれるタイプです。残念ながら無抵抗のまま死にます。

スマホ、水着」派

上のタイプと似ていますが、こちらのタイプはほんの少しだけ頭を使っていて、だからこそその工夫した痕跡がもの悲しくもあります。このように、このタイプは周りから憐れに思われている可能性が非常に高いです。「写真撮れるし助けも呼べるじゃん!」「泳ぐためには水着が必要っしょ?」とこの人たちなりの考えがあるのですが、無人島は圏外であり、インスタグラムに載せるために撮ったその自撮りは遺影になります。そしてこの島にはあなた一人しかいないので水着は要らないのです。自分の馬鹿さ加減に泣き疲れるようにして死にます。

「酒、煙草」派

どうせ死ぬならと選ぶのであれば悪くない選択肢です。が、このタイプはそうではなく「どうせなんとかなる」と考えているのです。何の根拠もないくせに、問題に直面してもその時は自分に突然神がかり的なアイデアが沸いてきて解決できると思い、提出物やテスト勉強も直前まで放置しがちです。そして予定通り無事に死にます。

 

自己主張型

 このタイプは「終わり」です。彼らにとっては「無人島に何を持って行くか」など少しも興味がなく、いかに自分のユーモアや可愛さをアピールできるかしか考えていません。自己中心的で自分をムードメーカーだと勘違いしていますが、その実態は性欲の権化です。基本的に空気が読めず皮肉も通じないので、ここはお前の個性発表会じゃないからさえずるな、と素直に伝えましょう。また、ここまで読んで「俺っちどこにも当て嵌まらないわ〜(笑)」なんて言ってる奴は全員これです。

「ギター、iPod」派

 とにかく自分が話の中心に居ないと気が済まないタイプで、「ギターがあれば良いかな(笑)」とか「音楽がないと死んじゃう」などとトチ狂った妄言を並べ立てることが特徴です。他人と違うということでしか自分を見いだせず、また知識を軽視する傾向にあるのですが、本当に無人島へ行くことになったら真っ先に生真面目型の真似をしてナイフを挙げて、死にます。

「パスポート、希望」派

典型的な「場違い大喜利野郎」ですね。普段は面白い人として周りから受け入れられているのですが、本当に面白い人たちには敵うはずもありません。このような場で敗者復活戦を仕掛ける空気の読めなささからも分かる通り、真面目にしなければならない時や怒られている時もヘラヘラしているので周りからの信頼はありませんし、一部の異性からは極端に嫌われています。基本的に無害な存在ではありますが、『RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜』などと言い始めたら一度低めのトーンで注意しましょう。彼らはその陽気な性格の反面、かなり臆病なのでそういう空気感には敏感です。意外なほど簡単に死にます。

ドラえもん、ヘリコプター」派

自己主張型の中でも一番の害悪、今まで紹介した各型の悪いところだけを濃縮して煮込んだ二日目のカレーがこいつらです。知識もユーモアもないのに自己主張と自意識だけは一人前、自分が同じ舞台に立ててないことにさえ気付かないカスの親玉です。間違っても「ドラえもんなんて居ないじゃん(笑)」「ヘリコプター操縦できるの?(笑)」などと相手のフィールドに上がって場を和ませてはいけません。誰かが一回分からせなきゃいけないんです。ボッコボコに殴りましょう。もし「だ……誰か……警察……」と言われたら、「ああん!!!!!? そこは警察じゃなくてドラえもんだろーがよ!!!!! なあ!!!!? 居んだろーが!!!!? ヘリコプターで逃げねえのかよ!!!!?」と、相手がいかに愚かだったかと教えてあげましょう。じゃないと真っ先に死にます。

 

人格破綻型

このタイプには深く関わっていけません。フリードリヒ•ニーチェが「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」と言ったように、あり余る好奇心というのは時に身を滅ぼすことになります。もし質問をした相手に人格破綻型の可能性がある場合は、ただちに話を変えて様子を伺いましょう。本来この人格破綻型は答えによって分類できないのですが、念の為に回答例を挙げておきます。

「うんこ味のカレー」

色々と突っ込みたい気持ちはあるのかもしれませんが、ここは黙って引くべきです。脳の中のコミュニケーションを司る部分がハチャメチャになっているので、おそらく対話は絶望的です。曖昧に同意しながら離れましょう。

スーパーカミオカンデ

日本が世界に誇る水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置ですね。無人島でニュートリノを検出する必要があるのかは分かりませんが、決して彼らの答えを否定してはいけません。敵意がないことを示しましょう。

いつもここから

アルゴリズム体操エンタの神様でお馴染みのお笑いコンビです。うん、それ以上の意図はわかりません。大丈夫です。そう。ゆっくり。ゆっくりと距離を取りましょう。

「刑法124条」

陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

増子直純

日本のロックバンド「怒髪天」のボーカル。

「勝ちたいんや」

2003年の監督・星野仙一指揮下の阪神タイガースのキャッチフレーズ。

いつもここから

喜怒哀楽の観察日記。

「「悲しい時ー!」」

え? うそ? マジ? 始めんの?

「「無人島に行った時点でどうせ生きて帰れないと分かった時ー!」」

金のカメレオン座

 

年の瀬なので1年を振り返る。色々あったし。

 

1, 2, 3月は割と調子が良かったと思う。まず、仕事で部署を異動したけど、たまたま仲良い同期が同じオフィスにいたし、そこで出会った上司や諸先輩方も良い人たちだった。何より成果を上げられていて、謎に部内表彰とか言って50人くらいの前で話す機会もあったりとか。うん、本当に上手くいってたんだと思う。別にめちゃくちゃ優秀ってわけでも、めちゃくちゃ満足ってわけでもないけど、気持ち的には楽だったなぁ。

 

んで、4月にまた異動が決まって、そこでメンドイ客とか嫌味を言ってくる先輩とかそういうのに当たって、この辺からしんどいなぁ、とか思いながら仕事してたっけ。俺正直この辺からの記憶があんまないんだよな。ストレスで寝れなくなって仕事でミス連発して客に怒られたり、上司に迷惑かけたりそんな感じの日々を7月までノンストップで続けてた。けっこう夜遅くまで対応することも多かったし、やべー客の理不尽に疲弊してたな。

 

そしたら医者に鬱って言われて、8月から11月まで仕事を休む感じになってずーっとゲームしたり、ゴロゴロしてご飯食べるときだけ起きるみたいな生活してたんだよね。たぶん人生で一番ダラダラしてた。

 

で、11月から復職して、なんでかわかんないけど今すっごいやる気あってちょっと頑張れてるんじゃないかなっていう状態。仕事はこんな感じだなぁ。うん、もう一年は現職で頑張りたいなと思ってる。なんだかんだ俺、仕事に関しては今結構ポジティブになれてるかも。そう考えると休んで良かったよ、本当に。

 

俺はまぁ休んでる時点で、仕事もだいぶ色々あったんだけど、それ以上にプライベートでね。色々あったからね。そっちの話。

 

結論から言うと2年付き合った彼女と別れた。1年半の同棲を解消してね。なんでとかって直近の他の投稿で書いてるからそっちを見てほしくって、まぁ端的に言うと俺が完全に悪くて、日々の生活とか、彼女への愛情表現とかそう言う部分での至らなさって感じなんだけど。うん、まじで俺が100わりーわ。

 

で、そう。だから今は実家にいるのね。そんでさ、まぁまだ1週間ちょいとかなのかな?そんな感じだけど、自分の中で振り返って、整理してちょっと冷静になったりしたけど、それでもなんつーか、前の家はすごく良かったなって日々思う。前の家というか、家も含めて良かったんだけど、一緒にいる彼女との生活とか。あと、まぁシンプルに俺全然すげー彼女が好きじゃんとかね。今更思ってもマジで遅いんだけどさ。今はそう思うよ。

 

てか、なんかキモいこと言うけどさ、好きな人が当たり前のようにそばに居るっていいよね。話したいときに話せて、食べたいものを一緒に食べて、一緒に出かける前に顔の整った彼女が更に綺麗に、最強になっていく過程を見ることができて、そして何より眠くなったら、一緒に手を繋いで寝られるのが良かった。

 

俺はそれを当たり前のことだと思っちゃったんだよなぁ。そばに居てくれることのありがたみや尊さをいつの間にか忘れてたんだよね。前もって言うと今の俺だいぶキモいけどさ、そこはまあちょっと大目に見てほしいんだけど、こうして一人になって最近は暇があるとすぐに前の彼女のことばっか考えちゃうわけよね。そうするとさ、付き合いたてとか同棲したての頃の記憶って、レストランで座った席とかそのとき話したこととか、その日の彼女の服装とかすんごい詳細に覚えてたなとか気づいちゃって。

 

んで、直近の記憶になるとさ、別れ話以後の一緒に暮らしてた数週間はすごく詳細に覚えてるけど、そのちょっと前らへんとかになってくるともう全然ダメ。ぼんやりと当たり前のようにそこに彼女が居たな、とか、なんか話したな。でもあんまちゃんと聞いてなかったな。とかそんな感じですごいざっくりしてんなーって思った。

 

記憶の話しててパッと思ったけど、俺ってだんだん変化にも疎くなってたね。初めの頃は彼女の髪型はもちろんそうだけど、アイメイクとかシャドーの色とかリップの色とか、色んなことに目がいってたなーとか。もう後半は彼女のメイクのことあんまり気にしてなかったのかなって自分でも思うし。いやね、直近も可愛いとは思ってたのよ?ずっとね?つーか、むしろ今でも俺はあの子が世界で一番可愛いと思ってるしね。はい、またキモいこと言ったね。もし、大目に見れなくなったらフォロー外す前に言ってね。俺、頑張るから。

 

でも、そういうところが全部俺の向き合い方を表してたなって思う。俺の目はいつの間にか彼女のことを見なくなってたし、俺の耳も彼女の話をろくに聞かなくなってた。そんなんまじで意味分かんないし最悪だけど、それでもなんか彼女はあんときみたいに当たり前にずっとそばに居てくれるもんだと思ってた。

 

まー、そんなところで、要約すると俺から信頼崩壊させるようなことして、自業自得で別れてんのに、実はめちゃくちゃ彼女のこと引きずってますっていうすげーバカな話ね。最初からちゃんとしてろよって、みんな思ってると思うわ。俺もね、本当にそう思うよ。

 

あー、それはそうと話変わるけど俺実家で、ゲッターズ飯田さんの占いの本見つけてさ、暇だからチラッと読んだんだけど、俺は金のカメレオン座っていう星の下に生きてるらしい。んで、肝心の今年の俺の運気だけど、前半はそこそこ調子良くて後半は運気が下がってくる。その理由も俺の常日頃の行いに起因してる、いわゆる蒔いた種ってやつらしくって本当になんかまんま俺でちょっと笑っちゃった。

 

占いってさ、プラシーボじゃなくてなんだっけ?バーナムだ。アレがあって結構表現で誰にでも当てはまるよねみたいな部分ももちろん一定あると思うし、つかなんなら俺ずっと占いなんか信じてなかったし。でもこればかりはなんか年月の流れとか諸々当たってたから、ちょっと信じてみてもいいのかなって思った。2022年は占い結果を軸に生きてこうかな、みたいなね。冗談じゃなく結構まじでこれ思ってるよ今。

 

んで、ちなみに肝心の2022年の俺の運勢だけど裏運気の年とかいうのらしくて、尋常じゃなく運気が悪いらしい。これ以上ってなんなんだろうってちょっと思うけど、まあ多分今俺が願ってることってだいぶ叶わないのかなって思った。ま、期待値低い方がね?良いことあったとき嬉しいし、それはそれで悪くねーのかな。いや、わりーよな。だってそれって普通にすげー悲しいことだもん。まあ、でもそれも含めて諸々反省してちゃんと生きろってことなんだと思うから、2022年は公私共々きっちりするっていうのが抱負だね。

 

あと、そうそう。占いの本によるとなんか仕事はこの一年変えない方がいいっぽい。今の仕事でもあんま楽しいことはないっぽいけど、転職したら今よりもさらに酷くなるんだって。俺がさっき今の仕事頑張るっつったのもこの辺がメインの理由なんだけどってめちゃくちゃこの占い信じてんな俺。まぁ今の仕事は全然第一志望じゃないし、今俺が歩んでる人生もほど遠いものだけど、何か仕事変えたってそれが今より良い保証はないからなって割と前向きに思ってる。

 

恋愛については2022年の俺マジでやばいらしい。まず、今年出会う異性は今まで全然俺の好みじゃないような人だったり、エグいくらいのクズだったりするらしい。んで、基本付き合わないけどなんかの間違いで付き合ったとしたら、それは長く続けると俺の人生の運気をさらに落とすらしいからやめとけだってさ。ホントしゃれになんないよ。勘弁してくれよ。誰でもいいから誰か俺を助けてくれ。っていうのはごめん嘘だ、めちゃくちゃ嘘ついた。全然誰でも良くない。やっぱいいや、なんでもないよ。なんかまあ何があっても今年はめげずに向き合っていくからさ、基本は俺の力だけで乗り越えるからってのは大前提で、それでもしんどいときはちょっと友人たちには頼ろうと思う。そんくらいは許してね。

 

そんな激ヤバな運勢だけど、一個だけちょっと良いことが書いてあって、来年は良い意味でも色んな経験ができるらしい。それは既知の人間との間でもそうだし、今後の出会いって意味でもそうらしい。だから、来年は今まで以上にフットワーク軽めにいろんなことにチャレンジしたらいいよって書いてあった。だからさー、色んなことに俺を誘って欲しい。俺と色々しよう。

 

すげー長くなったからこの辺で締めさせてもらうと、2022なんの俺は内面は変化感大きめで、ライフスタイルに関してはそこまで。多分なんだかんだずっと前の彼女に一方通行の片思いを続けていくだろうさ、仕事もそこそこの愚痴を吐きながら続けてるとは思うけど、例えば、かんの家でゴミを置きっぱにしないとか、床でご飯食べてこぼさないとか、勝手に冷蔵庫開けないとかその辺は直して生きていこうと思うんで、皆さん2022年もよろしくお願いいたします。2021年も残り2日ですが、良いお年を。