桃色の憂鬱

文を書く練習

時計というものが非常に危ない

 

皆さんが普段から使っている時計。

現代人の生活に不可欠なものとなっている時計。

人類の文明の偉大な発明のひとつである時計。

 

一般的に良いものとして扱われており、これを遵守することが推奨されている時計というものが今、非常に危ない。

 

まず、時計の危険性を示すひとつの特徴として、「時計を見た人間は何かに駆られたように急に焦り始めたり、急ぎ始める」というものがある。これは、人間の行動を司る脳の一部に異常をきたす脳波を時計が発している影響も考えられ、非常に由々しき事態である。

 

人間に強迫観念を与え、場合によっては精神にまで異常をきたす要因にもなりうる時計の危険性を今一度再認識する必要があると筆者は思う。というか、何らかの規制を設ける、或いは使用を禁止したほうが良いと私は思っている。

 

また、先ほど精神にまで異常をきたすと述べさせてもらったが、時計には向精神性の作用があることも確認されている。

 

それは即ち、「ずっと動いているはずの時計が急に止まったように見える現象」のことだ。巷ではこれをクロノスタシスと呼び、エモさの象徴などと取り沙汰されているが、これはメディア、いや政府による印象操作であり、危険性をカムフラージュするための方便にすぎない。

 

実際に止まっていないものがあたかも止まっているように見えるというのは、明らかに時計そのものに幻覚作用をもたらす要因があることを示しており、長年時計に触れることで、薬物濫用による精神的、身体的被害に近い害を人間に与えることは明白である。時計はダウナーにして幻覚を見せ、人体に悪影響を及ぼしているのだ。

 

現に過労によって鬱症状を引き起こしている現代人の多くは時計中毒を併発しているのではないか、といった興味深い洞察もある。

 

さらにこの時計というものについて、今一度皆さんには考え直してほしいのだが、時計が動いている間、月の形が変わっていることに気づかないだろうか。時計の動きによって月の形や大きさは現に変わっており、人類の発明した時計は天文にまで影響を与えている。

 

さらにこの時計というものについて、人類の近代史において、国家ぐるみの陰謀があったことを皆さんはご存知だろうか?

 

かつてこの世界では、イギリスにあるグリニッジという場所から世界中の時間を操り、時間を通じて、世界中の人々の行動を統一的に管理することを目論んだという負の歴史があるのだ。実際に現代にもこの潮流は続いており、我々現代人はさも当たり前のように定められたグリニッジ標準時というものを基準に行動することを強いられている。

 

この現実を我々は見過ごして良いのだろうか?否、良いはずがない。今こそ我々現代人は立ち上がり、この時計による支配から解き放たれるべきなのである。

 

また、時計については実は昔からこの危険性に気づいていた人間がいたことも事実としてある。

 

その人の発したメッセージはアメリカ合衆国のニューヨークに存在するニューヨーク近代美術館(通称:MoMA)にて確認することができる。

 

その人物とは、美術界において皆さんが一度は耳にしたことのある人間だ。その名もサルバトール・ダリという人で、彼は『記憶の固執』という作品を通じて、我々現代人に危険性を知らしめている。

 

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こちらの絵の左下に注目していただきたい。皆さんは既にお気づきかと思うが、なんとモチーフとなっている時計が溶けているのだ。これは、時計の危険性即ち、精神に有害な作用を及ぼすことや、人間の行動まで支配する作用を持っていることを明確に示唆しているのだ。この作品を通じて、ダリは我々に対して密かに警鐘を鳴らしているのだ。

 

いかがだろうか?皆さん普段何気なく使用している時計の危険性がお分かりになっただろうか?これからは、時計の危険性を重々理解した上で、私と共に現代人を時計による呪縛から解放する手伝いをしてほしい。皆さんが賛同することを願っている。

 

要約すると、ものは言いようでなんとでもなるので、見聞きした情報を鵜呑みにするのではなく自分の頭できちんと判断しようね、という話。